制定拳の中でも32式太極拳は、剣を使った「太極剣」としても知られています。太極拳はもともと護身術のための武術として受け継がれてきた中国武術ですが、近年ではオリンピックなどの国際的な競技スポーツとしても認められ、世界共通のルールで競技ができるように、制定拳と呼ばれる新しいスタイルが確立されています。24式、48式など基本的な動きの数によってネーミングされているのが制定拳の特徴。制定拳の中でも最初に確立された24式は、200とも300とも言われる太極拳の沢山の流派の中から、共通する動きや動作を抽出して、初心者にも分かりやすく確立された太極拳のスタイルです。

そして、この簡素太極拳とも呼ばれる24式太極拳の動きに「剣」という武器を加えて確立されたのが32式太極拳。太極拳が誕生した中国では、戦後間もない1957年にすでに中国国家体育運動委員会によって確立されました。

この32式太極拳は、沢山ある太極拳の流派の中でもきわめて伝統的な流派でもある楊式太極拳を元に作られています。楊式太極拳は剣などの武器を使った基本動作なども沢山持っている流派で、この楊式太極剣を初心者にもわかりやすく32種類の基本的な動作に分類したものが、32式太極拳です。この太極拳には、「文人の武器」とも呼ばれている剣の要素を沢山含んでいるのが特徴で、準備式や起勢をのぞいた基本動作が大きく４つに分類されています。

まず最初の１組には、8つの動作が分類されていて、並歩点剣、独立反刺、向右平帯、向左平帯など、剣を使った基本的な姿勢がｈ含まれています。2組には8つの動作が分類されていて、剣を使って下から切り上げる動作や、上から下に向かって引ききるような動作など、少し難易度が高い基本動作が含まれています。3組目には大胆な体の動きと剣の動きが一体となったダイナミックな動作がラインナップされていて、剣で刺す攻撃姿勢だけでなく、ディフェンス姿勢なども盛り込まれています。そして最後の4組には、更に難易度が高い動作が盛り込まれていて、体と剣が一体でなければ難しい動作などもたくさんあるようです。

画像左は若い人でもお年寄りでも、男性女性の性別問わず、だれしもが場所を問わずできる太極拳を、太極拳世界王者の孔祥東が紹介する2枚組のDVD。画像右はこれから24式太極拳を学ぼうとする人たち、24式太極拳をとおして太極拳の上達を目指す方々の為の教材DVDです。画像をクリックすると詳細が表示されます♪