楊式（ようしき）太極拳は、中国に古くから伝わる太極拳の一つの流派。太極拳の流派は数えると20とも30とも言われていますが、楊式太極拳刃数ある流派の中でもきわめて伝統的な太極拳に近い流派と考えられています。もともとは、太極拳が生まれた河南省に住む楊露禅が創意工夫をしながら考え出した流派と言われていますが、この楊露禅、実は太極拳という武術自体を生み出した陳家の一人、陳長興について陳式太極拳を学んでいたのだそうです。そして陳式太極拳をマスターした後に楊式太極拳という独自の流派が誕生したのだそうです。

そのため、太極拳のメインストリームでもある陳式太極拳とこの楊式太極拳は、基本的な動きなどがとてもにています。陳式太極拳には、滑らかな動きの中にたまに激しい動きなども盛り込まれていますが、楊式太極拳の場合には滑らかな動きに統一されているのが特徴です。

その柔軟な動きは当時の清王朝にも名を轟かせていて、楊式太極拳の創始者だった楊露禅は王族や貴族たちの前で何度もこの太極拳を披露舌のだとか。実践においては無敵といわれた楊露禅は、貴族たちにこの楊式太極拳を実際に伝授して指導する立場となったといわれています。その無敵さは、楊露禅だけでなく、楊一族に受け継がれていくわけですが、なぜ楊一族ばかりがそれほどまでに無敵なのか刃、中国全土において大きな謎に包まれたようです。

楊一族の無敵ぶりを解明する説はいろいろありますが、最も有力なのは、楊式太極拳の扇だった「拳」を家族のみに伝授する秘拳とし、他人には絶対に伝授する事がなかったからだ、という説。現在になってはその節が本当だったのかどうかは分かりませんが、楊式太極拳をマスターすれば無敵なほどに強くなる事もできる事は証明されますね。

現在の太極拳の流派の中には、この楊式太極拳から派生していった流派もあります。例えば24式太極拳や制定太極拳などは健康法としても利用されている流派ですが、もともとはこの楊式太極拳がメインとなっています。

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