太極拳の中でも、国際的なスポーツとして発展したものを武術太極拳と呼びます。太極拳は中国で誕生し、もともとは護身のための武術として受け継がれてきましたが、それを護身だけではなく「攻める」テクニックも積極に取り入れて、勝敗のために戦う武術として発達したものが武術太極拳です。日本では武術太極拳杜呼ばれていますが、中国では武術（ウーシューと発音します）と呼ばれているようです。

武術太極拳は国際的なスポーツで、オリンピックの競技としても認められている武術。スポーツとして武術太極拳が認められたのは1999年なので、それほど歴史が長いというわけではありません。1999年にIOCから競技スポーツとして暫定的に承認されてから、3年後の2002年に正式に承認された武術太極拳。それからはもともと太極拳が活発に行なわれていたアジア諸国を中心に、いろいろな競技大会が行われています。　

スポーツとしての武術太極拳は、南拳、長拳の3種目、そして太極拳の種目が設定されています。いろいろな流派があり、流派ごとに動きや形が異なる太極拳ですが、スポーツ競技のために基本形が設定されているため、競技に参加する場合には、その型を習得する事が必要になります。

長拳3種目には、少林寺拳法、華拳、査拳など、中国北派の武術が取り入れられて設定されています。これらの武術は中国全般で広く行なわれている武術ですが、空手と合い通じる部分もたくさんあるので日本人で武術を嗜んでいる人にとっては意外と習得しやすいタイプの種目のようです。

南拳も太極拳同様にいくつかの流派があり、スポーツ競技としての南拳はやはり競技の用の型などが設定されています。もともと中国で伝統的に受け継がれてきた南拳をもとにし、南拳が最も盛んな広東省で行なわれている洪家拳とかけあわせたようなスタイルとなっているのが特徴です。

追求すれば奥が深い武術太極拳。全ての種目をマスターする事は並大抵の事ではありませんが、一生のスポーツとして奥の深い部分を突き詰めていくのも生涯の楽しみになるかもしれませんね。

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