アバヤとベリーダンスについて

アバヤとベリーダンスについて [〜知って得するベリーダンス知識〜]

イスラム圏では、女性は外出する時にアバヤとよばれる黒い布地を体にまとっています。イスラム圏では女性は結婚する男性以外には肌を露出してはいけないとされているので、女性が持つ美しい体のラインを全てアバヤで覆ってしまうわけです。からだのラインではなくても、女性の髪は美しいと言われているので、髪やうなじなども全て隠してしまいます。アバヤの色も透けて中が見えないように黒色のアバヤが一般的と言われています。

ベリーダンスのコスチュームとアバヤって全く正反対の衣装のようにも感じます。アバヤは黒色で女性の体のラインが出ないように全てを覆ってしまうスタイルなのに対して、ベリーダンスの衣装は自由の国で生まれ育った日本人の私達ですらなんとなく恥ずかしくなってしまうような露出の高いビキニトップとヒップスカーフ、しかも、その衣装を着て腰をクネクネくねらせて魅惑的に踊るのです。

確かに、服装という観点ではアバヤとベリーダンスは正反対。しかし、どちらも同じイスラムの文化という点では共通しています。

「女性がアバヤを着なければいけないほど厳しい国なのに、なぜベリーダンスが人気?」 と不思議に感じる方もいるかもしれませんね。イスラム圏の国の中には、女性が公共の場に外出する際には必ずアバヤをつけなければいけないと義務付けられている国もあります。そういった国の中には、ベリーダンスの露出とダンススタイルによって風紀が乱れてしまわないように、ベリーダンスそのものを法律によって禁止している国などもあるのだそうです。実は、そんな矛盾の中には、ベリーダンスが世界的な知名度を獲得した裏には、肌の露出も全く問題にならない西洋文化の役割も大きいといわれています。露出の高い衣装で踊るというベリーダンスのスタイルも、エロチックな動きで官能的に踊ると言うダンスメソッドも、実はイスラムに古くから伝わるベリーダンスという芸術ではなく、西洋文化によってステレオタイプとなってしまったベリーダンスの姿なのだそうです。

そのため、古くから伝わる伝統的なベリーダンスが行なわれているイスラム圏では、女性のベリーダンサー達はアバヤを着たまま踊ると言うスタイルも多いのだとか。

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