肩甲骨は、体の中でも凝りやすい場所として知られています。肩甲骨は胴体の上部に位置している骨格で、腕や頭部を支える役割をしていると同時に、全身のバランスを取るという役割も担っています。人間の体の中では頭部が最も重い部位なのですが、体が普通に直立している場合には、頭部は背骨の上にきちんと座るような感じとなり、頭部を支えるための筋肉にかかる負荷も、最小限で済みます。しかし、体が前後や左右に傾いていると、頭部が背骨の上にまっすぐに乗らず、重たい頭部を支えるために、筋肉が酷使されてしまいます。大きな負荷がかかる筋肉の一つに、肩甲骨周辺の筋肉があるわけです。
肩甲骨周辺の筋肉は、ちょっとした体のアンバランスでも簡単に凝りやすくなっています。例えば、猫背だったり、無理な姿勢で長時間を過ごしていたり、骨盤がゆがんでいたりするなど、下半身のバランスが悪くても、肩甲骨周辺の筋肉に影響が出ることも少なくありません。私たちの生活の中では、肩甲骨周辺の筋肉に負荷をまったくかけずに生活するというのは難しいので、できるだけ凝らないように気をつけながら、頻繁にマッサージやストレッチをすることで、凝っても早期に解消できるような工夫が必要です。
肩甲骨のコリは、肩こりや背中のコリ、首残りと連動することも少なくありません。肩甲骨が凝ることで肩や首、背中の筋肉も固く凝ってしまうこともありますし、周辺の筋肉残りが肩甲骨の筋肉も凝らせてしまうということもあります。肩甲骨周辺の筋肉が凝ってしまうと、その部分に十分な血液が行き届かなくなるため、その先にある筋肉や部位にも十分な血液が送られず、全身に不調な症状が現れてしまいます。
例えば、頭がぼーっとしたり、偏頭痛で悩まされている人の中には、肩甲骨や肩こりなど、筋肉残りが原因になっているという人も少なくありません。血液は心臓から送られてきますし、頭部に送られてくる血液は、必ず肩甲骨や肩、首を通過しなければいけないので、途中で筋肉が凝って遮断されてしまうと、頭部にも血液が十分に贈られなくなってしまうというわけですね。