加圧トレーニングと成長ホルモン(GH:Growth Hormone)には大きな関係があります。
もともと成長ホルモンとは、体が成長するために新しい細胞がつくられるためのホルモンです。子供の頃に体が大きく成長するのは成長ホルモンが活発に分泌されているから。大人になっても成長ホルモンは分泌されますが、年齢とともに少しずつ分泌されにくくなり、30歳を超えると急激に分泌量が減ってしまいます。
成長ホルモンは、体の成長だけの役割りを担っているわけではありません。大人になっても肌に弾力があったり病気になりにくいのは、成長ホルモンによって新しい細胞が体内でどんどん作り出されているから。成長ホルモンが分泌されなくなってしまうと、古い細胞がいつまでも残ってしまうために老化現象が一気に加速してしまいます。子供にとっては成長するために必要不可欠な成長ホルモンですが、大人にとっては老化を防ぐアンチエイジングには欠かすことができないホルモンでもあります。
加圧トレーニングをすると、成長ホルモンが勢いよく分泌されることが分かっています。これは、このトレーニングの方法に大きな理由があります。
加圧トレーニングをする際には、トレーニングする場所から心臓に近い部分、たとえば腕の付け根や足の付け根などを専用のチューブでキツク縛り、血流を少なくします。腕や足に十分な血液も酸素もいかなくなりますから、手足はうっ血してどす黒くなりますし、その状態でトレーニングをすればその部分の細胞たちは、血液から十分な酸素や栄養成分を受け取ることができないままに運動をして筋肉が疲労してしまうため、大量の乳酸が分泌されることになります。血流がコントロールされているので乳酸はその部分にどんどん溜まり、高濃度になりますよね。
そして、トレーニングの後にチューブを取り外すと、高濃度の乳酸が一気に全身に行き渡ります。それが脳にシグナルを送り、成長ホルモンの分泌を促すことになるわけです。