体脂肪というと、なんとなく悪者というイメージが強いものですが、人間の体についている脂肪は、私たちが生きる上でなくてはならないものなので、必ずしも体脂肪がついているのは良くないというわけではありません。しかし、体脂肪が付きすぎていると、生活習慣病のリスクが高くなってしまうので、気を付けなければいけません。実際には太っているように見えなくても、体脂肪が高くて実は肥満体型だという人も少なくないので、自分が肥満かどうかを知るためには、体重や見た目よりも体脂肪率を参考にしたほうが良いでしょう。
適正体脂肪率とは、生活習慣病や肥満の心配がない、正常な体脂肪率のこと。男性と女性とでは脂肪の付き方も異なりますし、どこに脂肪が付きやすいかも異なるので、適正体脂肪率も異なります。ちなみに、男性の場合には、適正体脂肪率は10%〜20%程度、女性の場合には20%〜30%程度と言われています。この範囲の中なら、自分の体脂肪率は適正、つまり、生活習慣病のリスクは少ないと言えますし、肥満の心配もとりあえずは大丈夫と言えるでしょう。
適正体脂肪率は、ダイエットをする際にも有効です。例えば、ダイエットをしている時には、目に見える体重が減ることばかりに神経を集中してしまう人も少なくありませんよね。しかし、実際にダイエットをしてみると、体重は減っても体脂肪率が変わらないというケースもあります。これは、運動をしないで体脂肪を燃焼していないから。つまり、脂肪は落ちていないのに筋肉だけが落ちてしまっているという可能性が考えられます。ダイエットでは、筋肉は落とさずに脂肪のみを燃焼させたほうが、リバウンドも少なく、ダイエットによる健康効果も期待できますよね。ダイエットをする際には、体重よりも体脂肪をチェックしたほうが良いでしょう。
適正体脂肪は、あくまでも目安です。自分自身の体脂肪率が適正体脂肪の範囲よりも少なすぎると「不健康なまでに痩せすぎ」ということになりますし、少し高いと「肥満の傾向」にあるということになります。もちろん、適正範囲を大幅に外れている体脂肪は、少なくても高くても不健康ですが、自分のライフスタイルなどによっては、適正体脂肪率から少しはみ出しても問題ないようです。